『おばあさんのゾウ』

 六年生のケン一と中学一年のツヨシは、ひょんなことから二人だけで、四日間のシンガポール旅行に出かけることになった。二人は、少年らしい好奇心で旺盛にこの国を見て回りながら、さまざまな人とふれあいを重ねていく。

 作者は、二人の少年とシンガポールの人々とのふれあいを通じて、かつて日本がこの国を侵略した加害者であったということを明らかにしていく。

 この本は、真の平和と友好のために、日本が過去に犯した過ちを償う責任を持っているということを、子どもたちにもわかりやすく教えてくれる。タイトルの「おばあさんのゾウ」の意味するところをとき明かしていくところは、ほのぼのとして美しく、そして、ドラマチックである。
  このシリーズの第二巻として、マレーシア編が予定されている。

(日本児童文学者協会・会員 恩田 満)

 〔「子どもと読書」1984年12月号(岩崎書店)より転載〕

 


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